マンションごとに違いがあって一概には言えませんが、届出をしてもらうだけで済むこともあります。
「マンション標準管理規約」(第17条)では、専有部分の修繕等(リフォーム)を行う場合の手続きについて、工事内容によって「申請・承諾」が必要な場合と、「届出」が必要な場合を定めています。ただし、平成28年の改正前の標準管理規約では、原則すべての工事において申請と承認が必要とされていました。このため、お住まいのマンションの管理規約がどのようになっているかを確認された方が良いでしょう。
ちなみに令和3年6月には、コロナ禍の影響を受けて、ITの活用を盛り込んだ改正が行われています。リフォームの手続きについても、書面以外に電磁的方法(メールやウェブサイトからの申請システム)による手続きを可能にする追加がされています。
「申請・承諾」が必要となるのは、共用部や他の専有部への影響が想定されうる場合で、事前に(工事の1か月前まで等)理事長へ申請し、理事会の承認を得る必要があります。また、影響がないものの施工会社の出入りがある場合は、工事内容や時期などついて事前に(1週間前まで等)届出が必要とされています。
届出のみで大丈夫な工事例
- 玄関錠の交換
- 玄関扉のクローザー交換
- 内装仕上げ変更、クロス貼り替え、塗装工事
- カーテンレール設置
- エアコンの設置・更新 など
申請・承認が必要な工事例
- フローリング貼り替え
- 設備機器(浴室、キッチン、便器、洗面台等)の変更
- 設備類の配管の変更
- 契約電力の変更 など
※上図はイメージであり、実際の手続きはマンションによって異なります。
リフォームにあたって必要な手続きについては、ご存知ない入居者も多いものです。事前の申請が必要な場合には思わぬ時間を要することにもなりますから、理事会としてリフォームを行う場合に必要な手続きについてまとめたプリントを用意して、定期的に入居者の皆さんに周知するようにしてはいかがでしょうか?
また、リフォームのしやすさや制限の有無についてはマンションの資産価値にもつながるところです。最新の管理規約と異なるようでしたら、時代にあった規約への更新を考えてみても良いでしょう。標準管理規約改正のタイミングで、理事会で話し合うようにしてはいかがでしょうか?
管理規約の改正について詳しくはマンション管理会社のフロント担当にご相談ください。
(ハッピーアシスト通信 Vol.42掲載記事を元に最新情報を織り込み再編集)
(公開日)2023年6月12日